二人乗りの珍しいUFOが目撃されたという事件を紹介します。着陸したUFOから二人の宇宙人が降りてきたので、たぶん二人乗りだろう、というものなら他にもありますが、このUFOは明らかに二人乗りというか、二人以上乗れないというか、一人で乗ったらバランス悪かろうと一目で認識できるという点でオリジナリティを醸し出しています。
また、単にこの様な奇妙なUFOを見たという話だけではなく、そこにたどり着くまでの怪異的なバックグラウンドが報告されていることも、この事件への興味を掻き立てます。
日本ではあまり有名な事件ではありませんが、本国フランスではコミック化もされていますので、そこそこ知られた事件なのかもしれません。ここではまず、そのコミックを一部引用して事件の概要を辿っていきます。
アヴァロンの怪異
場所は昔、野生児が発見された(1797)ことでも知られる南フランスのアヴェロン(Aveyron)のどこか。不可解な出来事は、1966年の6月15日に始まり、しばらくのあいだ断続的に続いたとされています。場所や日時が曖昧なのは、体験者たちが場所が特定されることを嫌がったのと、研究者にこの出来事が報告されたのが、事件が起きてから3年後のことだったからです。
この不可解な出来事を体験したのは、アヴェロンで厚い石の壁でできた2階建ての農家に住む家族で、まずは孫の世話をしている76歳の老婆が体験者となりました。それは1966年6月15日の夜のことで、一階の部屋から人の顔の三倍の大きさの発光体が 三つ見えたそうです。
怖くなった老婆は娘婿を呼んで二人でしばらくそれを観察しました。その<火>は消えたり現れたりしながら二人の方に近づいてきているようでした。見ていてたまらなくなった娘婿は、外に出て観察することにします。その時、三つだった<火>は六つに増えていました。
やがてもっと奇妙なことが起こります。なんとその<火>が一列に並び、一つにつながって砲弾型の光になったというのです。このものすごい光景に驚きながらも、娘婿は火事の危険はないと悟り、家に戻り床についたそうです。こんな怪異をほっといて寝てしまうなんて、なんとも緊張感がない気もしますが、逆にリアリティも感じられます。人間、食欲と眠気には勝てないからです。
この出来事を皮切りに、この地域で断続的に不可解な発行体が目撃されるようになります。翌年1月6日に、この家のあるじと息子が見た1.5メートルほどの発光体は、彼らについてくるように動いたといいます。
ふたり乗りUFOあらわる
1月11日、息子がドライブに出かけたところ、また<火>が現れて、それは明らかに車を意識するように飛んでいました。しばらくの後、とつぜんエンジンがとまって車が停止してしまいます。そしてこの時、不可解な飛行物体を目撃することになります。
それは上下左右に揺れながら浮遊する、上部に2つのドームがついた楕円形の乗り物で、後ろから赤い光を放っていました。また、その2つのドームの内部は緑色の光にみたされ、どちらのドームにもヘルメットをかぶった人間らしきものが見えたということです。
事件の概要はここまでです。この先は寛容な方だけお読みください。