暑い暑い、やっぱり暑い、などと唸っているうちに、あっという間に夏コミ直前。今回はSpファイル友の会、夏の新刊『SpF8 -ちょっと、さみしいよね-』の内容を少しだけ紹介します。
今回、今後への挑戦という意味も込めて創作(Spノベル&Spコミック)が多いです。なので、ゴリッと超常現象に興味がある人には少々物足りない部分があるかもしれませんが――そこは、大きな心で受け止めていただいて――充実の200ページ、コミケにいらっしゃる方は是非お手にとって眺めてってください。
『オサン狐はタイフォイド・メアリの夢を見るか?』 ―原田 実
床屋談義がもたらした「エイズ都市伝説」と「オサン狐伝説」の奇妙なリンク。古代史・偽史研究家であり民話や怪談にも詳しい著者が、時間空間を横断する伝説を考察。
(著者の近著『もののけの正体―怪談はこうして生まれた(新潮新書)』 )
『でんでらふしぎめぐり』―ものぐさ太郎α
青森にある謎の建築物「不識塔」、正月の台湾でダンスミュージックで踊る「カミサマ」、ネコに導かれて辿り着いた「富士塚」など、旅好きの著者が綴る不思議旅行エッセイ。
『オンタリオの怪物体とその他のコト』―ものぐさ太郎α
度々奇妙なモノが目撃させることで有名な「オリエンタリオ湖」を起点に、古今東西ゆらぎ続けているUFOを語ったコラム。
『どこが怖いのか分からない』―近衛秀一
怪談・奇談の収集を趣味とする著者が、いわゆる“怖い話”とは別種のSp的怪談を紹介。
『矢追さんの宇宙塾を訪ねて』―本城達也
懐疑主義者である著者が、矢追純一氏が主催するセミナー「宇宙塾」に参加。「人間、UFOの矢追さん」が垣間見える秀逸なレポート。
【Spコミック】
『フラモンさん』―めなぞ~る♪
UFO界のアイドルともいうべきフラッドウッズ・モンスターが、微妙な萌要素含む非実在四コマ漫画として復活!――新作と過去に掲載された作品を一挙掲載!!
【Spレビュー】
『ちょっとさみしい超常マンガレビュー』―新田五郎
一般的評価の対象外となってきたマンガに光をあてた『トンデモマンガの世界』の執筆者の一人である著者が、70年代の子供向けマンガ超常解説本や、大陸書房の超常コミックをレビュー。紹介作品は「UFOと円ばん、101のなぞ」「円盤宇宙人出現!!!」「劇画 UFO・デロ」「劇画 日本の宇宙人」など。
『超常現象映画の現在、または未来』―中根ユウサク
昨今スクリーンを賑わせている「超常現象映画」や「フェイク・ドキュメンタリー映画」をレビュー。紹介作品は「フォース・カインド」「パラノーマル・アクティビティ」「運命のボタン」など。
【Spノベル】
『第三戦争 第二回』―ペンパル募集
前号SpF7に掲載された小説の第二回。突如として現れた奇妙な宇宙人に次々と公園が占領されていく北松前団地。団地の小学生たちは一致団結して宇宙人から公園を守る攻防を繰り返していたが…。
『天人豆腐』―渚のいん
「この絶味妙味、天より来る人、天人より伝承されし豆腐料理、その名も天人豆腐!」――古本サイトで見つけた瓦版に記してあった奇妙な豆腐料理「天人豆腐」。酒の席で盛り上がった男二人は、それを作ってみることに…。意外な結末が超常ファンを唸らせること必至!
『なぜ、この世に幽霊は存在しないか』―とよかわさとこ
「夜景でも、見に行くか…」――“僕”と、出戻りホヤホヤの姉、友人の楢原くん、三人の会話はいつしか、幽霊の実在についての話に。ちょっとした非日常から垣間見えたのは、この世の不思議や、普段口にすることのないような、さみしさだった。
『奇妙ハンター鬼談錠介 歩く大仏の巻』―新田五郎
意に反してオカルト雑誌に配属されてしまった編集者が、最初に請け負った仕事は「歩く大仏」の取材だった。しかも助っ人として編集長が依頼したのは“奇妙ハンター”の異名を持つ怪しげな超常現象研究家、鬼談錠介。ハイストレンジネス・テイストたっぷりに“誰も知らない戦い”が繰り広げられる超常エンタテインメント小説。
『七塚原牧場UFOフラップ事件のおもひで』―横山雅司
近隣で巻き起こったUFOフラップ(集中目撃)事件に触発され、現地へ趣くことを決意した少年の顛末をコミカルに描いた、半自伝的作品。
『黒犬』―馬場秀和
帰省した野々村が就職先として選んだのは、“局所現象”を研究する怪しげな研究所。そしてそこは、かつて幼なじみが、超自然的な野犬“黒犬”に殺された場所でもあった。前作に引き続き登場する“偽月”など、様々な超常アイテムが現実と融和する世界を舞台に、確かな知識と筆力で物語が展開!――これぞSp小説!!
あと、この他に黒バックで差し挟まれる「さみしいUFO。」がありますが、これはオマケ程度とお考えくださいませ