日記

【味わうUFO】エイリアン・ハイネックと機械翻訳がもたらすUFOファンコミュニティの未来

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 最近、ツイッターで海外のUFOファンとのささやかなコミュニケーションがあって、少したのしい。それは例えばこんなやりとりだ。

https://twitter.com/OvniConexion/status/1131368441007546368

 これまで海外のUFOファンというと、信者か陰謀論者、または学者タイプの懐疑主義者といった、どちらにせよカチガチな人しかいない印象で、フザけて冗談など言おうものなら怒られそうな雰囲気があった。しかしここにきて、少し毛色の違う印象を醸す海外アカウントが目に入るようになってきた。

 そのひとりが「ALiEN HYNEK(@AlienHynek)」氏である。エイリアン・ハイネックというユーザー名だけで、それがかつて米空軍にあったUFO調査機関プロジェクト・ブルーブックの科学顧問アレン・ハイネック博士(Josef Allen Hynek、19101986)をもじったものであることがUFOファンならわかるだろう。さらに、ハイネック博士と緑色の肌のエイリアンをミックスしたアイコンを見れば、彼がいわゆるカチガチとはちがう視点を持っていることが理解できるはずだ。

 そこに私はUFOファンコミュニティにおける一筋の希望の光を見た。それは「あ、仲間だ」と思ったからである。

 エイリアン・ハイネック氏にしろ、わざわざ機械翻訳をつかって日本語で返信してくれたConexión ovni氏にしろ、そのツイートをみると英語ではなくスペイン語が使われているので、スペイン語圏(もしくはポルトガル語圏)のどこかの国の人なのだろう。彼らがアメリカ人ではないことも面白いところだ。 それはUFO市場をほぼ独占しているのがアメリカであるといっても過言ではないからだ。

 この二つのアカウントが共通しているのは、UFOという現象からアウトプットされた、その味わい深い表現を愉しんでいるようだということ。それは彼らが盛んに投稿しているハッシュタグが「#RetratosExtraterrestres(宇宙人のポートレート)」「#CulturaOvni(UFOカルチャー)」であることからも、うかがい知ることができる。どちらのハッシュタグも見ているだけで楽しいので一度のぞいてみてほしい。

 そんな海外の雰囲気をうかがい知ることができたり、ネット上に限定されるにせよ異言語間でコミュニケートできるようになったのは、もうすべて機械翻訳のおかげである。 機械翻訳様様である。とくにGoogle翻訳様バンザイ

 学校の勉強をサボったばかりに外国語がまるでダメな私がとくにそう思うだけかもしれないが、最近かなり精度をあげてきていることは間違いないだろう。海外のホームページくらいなら、なんとか意味が汲み取れる程度にはなっているし、Google社が世界中の天才を引き抜いて自然言語処理や機械翻訳における技術を独占しようとやっきになっていることを、この前なにかの雑誌で読んだ。がんばれ天才!

 機械翻訳に関して、ちょうど3年くらい前(2015年末) に私はこんな風にツイートしている。ドンピシャとまではいかないが、そこそこいい精度の予想だったのではないだろうか?

 そして先日、英語学習のオンラインスクール「The Choimirai Co.」を運営し、米ジョージア工科大学の大学院で機械翻訳を専攻している方がこんな風につぶやいていた。

 もっと精度の高い翻訳が可能になると、異言語間でのコミュニケーションが容易になるばかりでなく、SNSを母体とした趣味のコミニュティのあり方にも大きく影響を与えるはずだ。

 UFOファンとしては、単純に海外の情報を手に入れやすくなることは嬉しい。またUFO事件の当事者の証言や、現地での受け止められ方などといった微妙なニュアンスを伴う情報は、ほんとうのほんとうに、喉から手が出るほど知りたいところである。そういったことが、言語の壁を越えたコミュニケーションによって得ることができるようなれば、その交流はいつしかUFOを通して様々な国の人がゆるくつながるコミュニティを形成していくことだろう。

 だから、UFOコミュニティにもまだワンチャンある(笑)。

 また最近、音楽の世界では、70年代後半から80年代に流行った日本のシティポップが海外の人に大人気であるという(山下達郎や角松敏生なんかのアレだ)。そもそも欧米文化への憧れによってつくられているはずのシティポップが、欧米人に「こんな音楽はわたしの国にはない」という理由でウケている「ねじれのような状況」が、機械翻訳の発展によって他の分野でも起こる可能性は大きくあると思う。

海外のシティポップ・ブームのアンセムとなっている竹内まりあの「Plastic Love」

  突然海外で「Jyunichi Yaoi UFO Special」がイケてるなんて語られる日は、案外近いかもしれない。

 

 

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画像はヲスカルさん撮影

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